徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

居酒屋の5000円、玉ねぎの150円。

人の価値観というのは出費のメリハリに如実に現れる。車をガッチガチにカスタマイズしているのに草を食んでたり、毎日おんなじ服しか着てないくせしてめっちゃいいもの食べてたりする。そこに金をかけるかとびっくりすることも多い。

交際費という茫漠としたお金に惑わされ続けて早幾年。糸目をつけない気概を持ち続けた結果、どうなるかっていうと玉ねぎが10円でも安いところを探す。もやしが30円だと買わない。19円だと買う。

なんだろう、すごくバカらしく感じやしないか。

例えばそこに桶があったとしよう。水がなみなみと溜まっている。しかし、穴がいくつか空いている。さぁ、あなたは今、水の流出を止めたい。空いている穴は大小様々。どこを抑えるだろうか。無論、一番大きい穴を止めようとするだろう。そこを抑えて、次に大きい穴、次の穴。次々に埋めていくに違いない。

最大の穴が、交際費。最小の穴が、もやし。なぜもやしの穴を抑えようとするのか。なぜ、玉ねぎの穴を抑えたがるのか。

僕は経験則で知っている。交際費の穴の下には土壌があって、水をやると育つ命がある。水のやりすぎで腐らせてしまわぬよう、かといって乾かしすぎてしまわぬよう、ほどほどの水をやり続ける。もやしや玉ねぎの穴の下には特段何があるわけでもない。水を出しっぱなしにするメリットがないのだ。

そうだ、俺は日々命を育てるために交際費を垂れ流しているんだ。自分の言葉に励まされながら繰り出していく。

桶の水が底をつく日も近い。