天才との呼び声が高い吉井和哉が生み出してしまった曲、JAM。
泣く子も黙る名曲である。
弊ブログでも何度かハチロクについてだったり、カノンコードについての言及をしている。楽曲がリズムと音階で成り立っている中で、リズムとしての区分の一つがハチロク、音階としての区分の一つがC、コード進行としての区分の一つがカノンコード。
古今東西、星の数ほどの曲が生まれている。もちろん中には似た曲はたくさんあるが、それは、構成要素が似ていることによる。例えば、カノンコードで進行する楽曲はどれも似たメロディになるし、ハチロクは得てしてドラマチックな展開になる。それでも、メロディを上げ下げしたりなんなりで、まるっきり同じ曲は誕生しない。音楽の妙である。
空も飛べるはず、恋に落ちて、浪漫飛行。これらは四拍子でCから始まるサビがカノンコードの楽曲だ。時期はどうあれどれもバカみたいに売れた曲のくせして、サビの展開はほぼ一緒。ドル箱のリズムとコード進であるとも取れるし、一つのリズムのコードからいくらでも曲が作れるとも取れる。
しかし、リズムがハチロクになると途端に状況が変わる。
ハチロクのCから始まるカノンコード。これはどうやったってJAMにしかならない…いや、そんなことはないのだ。いくらでもメロディは変えられる。どんな歌にだってできる。できるはずなのに、気づいたらJAMにつられてGood Night〜〜〜って歌ってしまう。コードとリズムから、生み出されるメロディに正解があるとしたら、吉井和哉が掘り当てたJAMのメロディは大正解of大正解なのだろう。これ以外考えられない。全部持っていかれる。
シャープもフラットもない白鍵だけで紡がれるメロディに、エモさ満点のハチロク、そして、「乗客に日本人はいませんでした、いませんでした、いませんでした」「僕は何を思えばいいんだろう」「こんな夜は、君に会いたくて、会いたくて、会いたくて」。
同じ土俵で、こんな曲に勝てる曲が作れるわけがない。
とはいえ、久々に素直な歌ができそうなので、めげずに作っていく次第である。