徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

働き方改革と公立高校のハングリー魂について

今、右手のテレビではミライモンスターなる番組をやっている。ゴルフ界注目の双子ゴルファー。二人の通っている高校が埼玉栄だった。泣く子も黙るスポーツ界の雄である。恐怖のオレンジ軍団。オランダかな?

 

サニブラウンが9秒台出したり、世界リレーをはじめとしたトラックシーズンが開幕したり、陸上の話題が世にでるようになってきている季節。どうしても青い記憶が蘇りがちになる。いい歳のお兄ちゃんになりつつあるのに、未だ10年前のレースの景色などをありありと思い出して感傷に耽る。馬鹿らしいけど楽しいものだ。

青い感情がひたひたの土壌に、埼玉栄に代表される私学のエッセンスが加わった時、僕の心に芽生えたのは当時燃やしていた私立に負けるか精神であった。懐かしい。

スポーツの強豪校と言われる学校、北海道だと当時の室蘭大谷だとか、北海道栄、白樺は、もう部活にじゃぶじゃぶ時間を使うで噂だった。朝から部活、昼から部活、夜まで部活。高校生段階でもう筋肉武装である。恐ろしい。

一方、我々が通った北海道はオホーツクの公立高校は、文武両道・質実剛健を掲げ、全部やってこそ本校の生徒であると、事あるごとに生徒たちの脳内に刷り込む大変優秀な学校であった。ピュアな心情を抱えて入学した中学生に毛が生えた高校生たちは、素直に素直に文武両道・質実剛健を履行。するとどうなるかというと、私立の奴らの部活の仕方は許せない…みたいな、ある種倒錯した価値観を抱くに至るのであった。

 

24時間働けますか。

昼夜を徹しての業務が囃し立てられた時代から早幾年。今や生産性と業務効率化が世界を回している。昔ながらの仕事の仕方と、今やらなければいけない仕事の仕方。これは、ある種私立の部活と公立の部活に置き換えられるのではないかと、まぁなんだ、ぼんやり思ったわけだ。

あの、限られた時間の中で部活をしなきゃいけなかった高校時代。雪に閉ざされた環境下でこそ培われた体幹やらその他諸々の能力。どう考えてもハンデとしか思えない状況を、なんとか味方につけて私立の連中をやっつけていくことに、面白みを覚えていたものだった。

長時間必要な業務を、どうアプローチして短時間のそれでなぎ倒していくか。テーマが違うだけで、高校当時やっていたこととなんら変わらないらしい。

埼玉栄のオレンジが想起して奮い立ったこの気持ちが、明日まで持っていたらいいなと思う。雪解けのごとく消えてしまわぬよう。