徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

38.1℃の体温と薬の力

一昨日の午前中あたりから猛烈に身体が熱くなり、代謝がいいなぁ、冬だというのに身体は盛んに燃えているなぁと呑気に我が身の新陳代謝を讃えていたら、なんの、午後から夜にかけて断崖絶壁を転げ落ちるが如く体調が悪化し、身体の節々の痛みを訴え出した。これは代謝ではない、体調不良だ。と、身体中の全細胞をワンチームな感じで戦おうとしたのだが、帰宅するころには立派に笑えない男が完成していた。

病院もやっていないので、もう自力で直すしかない。翌日も仕事である。

常備薬もない。タンスの奥底に眠っていたパブロンは2年前が使用期限だ。服めない。体温計もなかったから近所のコンビニで買ってきた。37度9分である。熱冷ましのシートがやはりタンスに入っており、こちらは3年前の使用期限だった。付けてみようとしたが、ジェルの面がデロデロになってしまっており、こちらも使用は叶わなかった。八方塞がりである。アクエリアスをガブガブ飲みながら床についた。

熱がある日特有のざらざらした寝心地を久々に感じながら、夜中にたびたび起きてはアクエリアスを飲み、頭を起こしては頭痛に苦しむ、ひどい夜を超えて、翌日朝体温を測ったら37度3分。行ける感じだったので無理やり仕事に行った。

筋肉がヒリヒリと痛み、黙って立っていられない状態ではあったものの、そういえば前に食らった二日酔いの方が余程辛かったな、こんなの余裕だなと元気に出社、元気に仕事をしていたが、やはり筋肉ヒリヒリがうざったかったため病院にかかると、熱は38度1分まで上がり、おやおやインフルじゃないの。と綿棒を鼻に突っ込まれたもののインフルは陰性、頓服薬と普通のお薬をもらって服用してからというもの、今に至るまですこぶる元気である。

 

僕のパーソナリティをに大きく関わっている出来事の中に、「高校三年生、夏、両足首の捻挫からのリハビリ、国体に復帰」というイベントがある。詳細は割愛するが、この時、理学療法士の先生に大変にお世話になった。

理学療法がどういったものなのか、辞書的な意味は知らないが、当時僕がやってもらったのは、捻挫の治療とそれによって衰えた筋肉の補強だった。なんなら殆どパーソナルトレーナーのように二人三脚で復帰までを支えてくれた。

捻挫によって、当然のように痛みが出るのだが、痛みを軽減し解消していくために必要なことは筋肉をつけることであった。筋肉をつけて、伸びた靭帯をガッチリホールドできれば、それで痛みは消える。腰痛も同じ。筋肉をつけて姿勢を正せば改善する。肩こりも、何も、かも、筋肉の支えによって改善されていくのである。

 

そうした理学療法的思想は僕の人生観に根強く入り込み、心身ともに鍛えれば痛みは出ないし、痛いのはトレーニングが足りないからだとも思っている。これを体調不良に持ち込むとどうなるかといえば、基礎的な免疫力さえガッチリと鍛えておけば風邪はひかない。となる。また、体調不良になっても免疫を十分に働かせれば負けない。とも言える。

薬も体温計すらもない我が家は僕の思想を表した部屋であった。が、この度薬を飲んで、圧倒的に体調が改善されていった事実に直面し、薬ってすげーなーと、平たい感想を抱いた。一体、僕が信じてきた筋肉とかってなんだったのだろうかと思うほど、薬は強烈に身体に作用し、熱と痛みと苦しみを消し去っていった。

ちょうど、もらった錠剤は楕円形をしている。

ワンチーム。僕は元気です。