徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

運命の糸で結ばれた食べ物ってなんなんだ

トピック「土用の丑の日」について

土用の丑の日です。皆さん、うなぎを食べる日ですよ。由来とかはヤフーあたりがきっと声を大にして教えてくれているはずだから割愛。

母がうなぎだいすきだ。特別、うなぎが好きなのよ!って宣言された覚えはないのだが、日頃選ぶ寿司のネタや、たまに会うと、うなぎでも食べる?と誘ってくる辺り、うなぎ好きがインク漏れしている。

息子もおかげさまでうなぎは好きだ。間違いなく好きだ。しかし、最後の晩餐で食べるかといわれたらきっと違うものを頼む。むしろ、さいごから一週間分の献立を立てられたとて、果たしてうなぎがランクインしてくるか怪しい。

自分は何がだいすきなんだろうなと考えてみる。オムライスは好きだ。カレーも好きだ。帰郷したらホタテやホッケを食べたいと思う。相当好きだ。一番ってなんだ。なんなんだ。

母もきっと、一番を選べといわれたら迷うのだろう。そこでうなぎを即答するほどのうなぎ党ではないと見受けられる。

もし、うなぎがだいすきでだいすきで仕方なくて、うなぎ食べているときが人生で一番幸せだって方がいらしたとして、その方にとっては土用の丑の日はとてつもなくいい日に違いない。誰もが足並みをそろえて、率先して自分の好物を食べる日である。悪びれもせず、多少高くともうなぎを食べられる。

うなぎが対象なら、それでいい。

では例えば、大好きな対象がツバメの巣とかだったらどうだろう。中国在住でもない限り、頻繁にお目にかかれるものではない良い中華料理屋に行って、やっとの思いで食べられる代物だ。

うなぎが大好きな人と、ツバメの巣が大好きな人。ここで幸せ度に差が生まれやしないか。

友人に、今まで食べてきた食べ物の中でピーマンが一番好きだという人がいる。愛しているらしい。これってすごく幸せだと思うわけだ。スーパーマーケットに最愛の食材が置いてあるのである。安価な至福が転がっているのである。うなぎなんかよりずっとずっと手の届くお値段とデイリーさで。

うらやましいなぁと思う。ピーマンがスーパーに置いてある限り、彼女の幸せは潰える事はないのだ。未だ運命の食べ物と出会っていない身としては、猛烈にジェラシーである。

何が好きかとかは、きっとDNAに刻まれているレベルで決まっていることで、コントロールなんて出来ない。小指から出ている何色だかの糸が結ばれている食べ物に出会ったとして、一体どのようなお値段でどの程度お目にかかれる食べ物なのだろうか。

土用の丑の日、うなぎがもうすぐ食べられる。

お腹がすいたそんな時、いの一番に浮かぶオムライスがもう食べられない時点で、運命の糸は切れてしまっているのかもしれない。

 

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