徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

サヨナラ弁当箱

今週のお題「お弁当」

弁当について詳しいことは以下の記事にあります。

 

ktaroootnk.hatenablog.com

 

しかし、その話ではない。今日はその話ではないのだ。

 

今朝、ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうと弁当箱めいいっぱいに炒飯を詰め込んだところ、圧倒的な裂け目を発見した。少しでも汁っぽい食べ物だったら確実に液漏れするであろう亀裂。クレパス。植村直己がこの裂け目を見たら何を思うだろう。

苦楽を共にした弁当箱だった。

病める時も健やかなる時も、面倒臭い時もノリノリな時も躁も鬱も。

およそ2年。あらゆる食べ物を詰め込んだ。炒飯はもちろん、野菜炒め、そぼろ、なんちゃってラタトゥイユ。お正月にはお雑煮を詰めていって、電車の中で大規模漏水し、お正月の電車の中をだしの匂いでいっぱいにした。冬至にはかぼちゃを蒸しただけの弁当を持っていって皆々様に酷評された。過ぎたるは及ばざるがごとしということわざを学んだ。電子レンジの前で弁当箱をひっくり返して嗚咽が止まらなくなったこともある。腐った玉ねぎを無理やり炒めて持っていったらバッチリ腹痛になったのも、今やいい思い出だ。

 

一つの時代の終わりを感じている。

大人気漫画ONE PIECE。

イーストブルー、ウソップとの出会いからずっと航海を共にしてきたゴーイングメリー号。レッドラインを越えてグランドラインに突っ込み、ラブーンの胃の中へ。そこからアラバスタ、ノックアップストリームにぶち上げられて空島への旅。空からの落下。あらゆる島を渡ったメリーが限界に達したのがウォーターセブン。メリーはテレパシーで麦わらの一味に感謝を伝えながら火の中に消える。その後、サウザンドサニー号なる船へと乗り換えるのだが、やはり、僕たちネイティブONE PIECE世代からするとゴーイングメリー号こそが麦わらの船である。

ONE PIECEにおけるゴーイングメリー号と、本日壊れた弁当がダブる。

次にどんな弁当箱を手に取るやらわからない。大容量かつ超密閉、落下の衝撃にも耐えうるスーパー弁当箱と巡り合うかもしれない。

でも、それはサウザンドサニー号に過ぎない。僕にとってのゴーイングメリー号は今の弁当箱である。忘れ得ない原点だ。苦楽が滲む。

多分、今夜の夢にでも弁当箱の精が舞い降りて、僕に感謝の言葉の一つや二つ伝えるのだろう。

ごめんね…もっとたくさんのお弁当を入れてあげたかった。もっともっと上手くなっていく料理を一番近くで見守っていたかった。でも…もう限界なんだ。今まで使ってくれてありがとう…僕は幸せだった。幸せだったよ…!

感涙である。

 

昨日駅までのダッシュ中に弁当袋を全力で落下させてしまったのが致命傷であろうことなんて、口が裂けても言えない。

サヨナラ弁当箱。