徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

夏至に思う

昼間が一番長い日である。冬至と比べて昼はやや5時間長いらしい。

昼が長いのは嬉しい。活動していいよって、太陽から許されている時間が長い。午後六時半ごろからの買い物とかも、外が明るいから思い切って出かけられる。冬の真っ暗闇の中じゃ全く出る気がしなくとも、いける。同じ時刻なのに不思議なものよ。

今日を境に、明日から日が縮む一方らしい。日に日に数分ずつ夜が長くなる。昼に染み出してくる。

絶好調が長く続かないように、バブルが弾けるように、昼も夏に至った瞬間から縮み始める。切ない。

また知らないうちに日が短くなり、そのくせ暑くなり、知らないうちに最後の真夏日も終わる。毎年何気無く繰り返しているけど、夏至には強烈に考えてしまう。気象庁から今日がピークだよと、なんの飾り気もなく伝えられてしまうと、はたと切なさを感じる。

にしても、梅雨時に夏至が訪れるスタイルはなんとかならないものか。北海道ではアホほど晴れた空の元で夏至を味わえるのに、何が楽しくて不安定な気圧配置の元で夏至しなきゃならんのだ。得してるのに手放しで喜べない。鬱鬱とした空の下でとは複雑だ。

薄曇りでも高曇りでも、夏至夏至だ。確かに日は長く、夜は短い。昼間の縮小と共に、ヨーヨーのように夏がくっついてくる。

間近に夏は迫っている。室外機と排ガスとでカオスな空気が温められる季節が来る。

走らないでいい夏は久しぶりだ。久しぶりすぎて忘れた。春夏秋冬走り続けて沈着した肌の色が抜けると共に、筋肉も落ち、きっと秋になる。

秋分の日を過ぎたら、もう冬まで真っ逆さまだ。

社会人といえど、学生の頃、身構え意気込みハラハラしたほどの変化もなく生きている。なんやかんや文章もずっと書いている。冬至もきっと大して変わらないままでいるだろう。のへーっとしたまま、南瓜を食べているだろう。


夏至の日が沈む。一番短い夜が始まる。なんやかんや、南瓜はまだ遠い。