- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/09/11
- メディア: 単行本
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西加奈子作品は「さくら」って犬の話をその昔に読んだきりである。「サラバ!」がものすごく話題になったが残念ながら未読。壮大な物語と聞いてはいるが、壮大さ故にに尻込みしてしまう最近の悪しき傾向により未読。
よくよく考えてみれば、エッセイなる作品集をあまり読んでこなかった。自分がエッセイ気取りブログをテロテロ書いているのに他人のエッセイを読んでいない。不勉強の鑑である。
そういえば司馬遼太郎の「日本のかたち」っつー含蓄だけでできているようなエッセイを母の本棚から拝借したっきり東京まで持ってきているが、含蓄すぎて断中している。あ、中断している。
人気作家のエッセイ。何一つ肩肘張らない、日常垂れ流しエッセイ。
いやーね、こうまでして面白いかと。エッセイ、こんなに面白いんだと。脳のオリゴ糖をほぼ使わないままで瞬間的に読み終えた。
やはり、文にリズムがある。リズムが読みやすさを助長し、テーマの軽さを後押ししている。
多分彼女の界隈で面白い事ばかりが起こっているわけではない。車窓から見える何事もない景色すらも面白おかしく描写してしまうリズムと言葉を選んでいる。
多分、僕は面白い文章を書いていたいんだと思う。アイ ワナ ライト ファニーセンテンス ザン インタレスティング イット。である。
大名作と呼ばれる作品群の美麗な表現よりも、奇策と呼ばれる作品群のエキセントリックさよりも、どーでもエッセイのフワッとセンテンスの方が脳みそにビビビッとくるのだ。この表現絶対どっかで使ったろ!みたいなやる気がムンムンムクムクともたげるのだ。
なんというか、西加奈子もそうだがそこら中の作家たちのエッセイを吐くほど詰め込んだら、自分の中でシェイクされて途轍もない表現方法が次々と生み出されていくんじゃないかなんて大層穏やかでない考えが浮かんできている。アウトプットにはインプットが欠かせないのですね、本当に。
彼女のエッセイを咀嚼しまくって、また次の、また次のとクリアして行くごとにこのブログがフルチューンされていくものと信じ、読書に励んでいきたいと思う。
面白いエッセイあったら教えて下さい。