徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

仕事だらけの世の中

もう、恐ろしいくらい仕事に溢れている。道を歩いていてふと思った。

よく、誰のものでもない土地はないって話を聞く。どこもここも、誰かの土地であり、行政が監理している土地である。隙間なく隙間なく埋め尽くされた陣取り合戦だと。

ふらふらと仕事から帰ってきて、スーパーによって、コンビニを眺めながら家に向かったのだが、それはそれは仕事だらけだ。道にたむろする客引きはもちろん、道路を敷いたのも、街の電気も、看板も、車もなにもかも、仕事が作ったものばかりだ。

うわぁ…って仕事だらけの世の中に気おされながら、テトリスのようなイメージを頭に思い浮かべていた。独特の形をしたブロックが、ビチビチに埋まって行っている。少しの隙もなく。ギュウギュウの盤面の中、不意にブロックが消えて隙間ができるとそこに新しい形のブロックが入り、そのブロックになじむように周りが固められていく。

古い業態と新しい業態の循環。失われていく仕事と生まれる仕事とのいたちごっこ。

世の中から仕事はなくならない。仕事がない世の中は動かない。黙っていたって寝ていたって僕たちは仕事から生まれるエネルギーとサービスを頂戴しているわけだ。ニートだなんだって働けるのに働かない人々が取りざたされて久しいが、言わばギブ&テイクのギブだけを貪っている状態だ。健全ではない。

これからずっとおそらく死ぬまで、誰かの生活に仕事を通して与して誰かの仕事に生活を通して与する。お金なんて言うわかりやすい対価があるから目がくらんでしまうが、あれがなければ優しさだけでも割と世界が回るんじゃなかろうか。

そんな甘くないか。