徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

日経一面にHIPHOPを見た

今日の日経夕刊。

あの宝飾メーカーTASAKIMBOを行うという。MBOとは何か。それは会社経営人が自らの会社の株を買い漁り、株主の元から株をぶんどる事を言う。上場するメリットでもある資金調達力を捨て、株主の機嫌伺い経営から脱却するのが目的とかなんとか。これから攻めます!私、これから攻めの経営に本腰を入れるんで配当とか払っている場合じゃないです!ってことらしい。

なるほど勉強になった。しかしそこじゃない。記事のタイトルである。

www.nikkei.com

 

ネットの記事を貼ってみたが、これじゃ伝わりにくい。

新聞を開いた瞬間に「TASAKIMBO」とデカデカ掲げられている衝撃。それが日経新聞の一面であるという衝撃。「SHAZNAのIZAM」とか、「GLAYのTERU」と同じ字面が日本の経済を移す一大新聞である日経紙面を飾っているのだ。目を疑う。いや、目を見張る。

新聞の見出しには日本語の粋が詰まりがちである。美しい七五調の見出しは声に出して読んでみたい衝動に駆られる。今日は「TASAKIMBO」に持って行かれてしまっているが、一面の小見出しには「シェール増産 高炉後押し」とある。伝説のHIPHOPユニットであるLAMP EYEの楽曲「証言」より3人目の証言者GK MARYANのバースの冒頭部である、「敵は我なり とどけカミナリ」を彷彿とさせる言葉遣いである。しかも紙面上だと「高炉後押し」に続いて、「鋼管2年ぶり値上がり」と続く。「2年ぶり」と「値上がり」で脚韻をバシバシに踏んでいる。

「シェール増産 高炉後押し 鋼管2年ぶり値上がり」

美しい流れだ。言葉の運び方が美しい。舌が持っていきやすい。これはひとえに記者の遊び心によるものであろう。文章のみで巧みなフロウと固い韻を踏みつけていくその筆さばきは、プロの所業以外の何物でもない。

これからももっと楽しませてください。