徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

引っ込みがつかなくなる羽田ランニング

今日も羽田まで走ってきました!

先日、羽田空港国際線ターミナルまでのロングランをキメたので、今度は国内線ターミナルを拝もうと同じ道を辿っていった。陸地から見ると国際線の奥に国内線ターミナルがある。当たり前だが、走行距離は伸びる。とは言え、同じ羽田空港。やってやれないことはないはずだ。僕は国際線を脇目に見ながらさらに歩みを進めた。

甘かった。

国際線にたどり着くまでですら歩行者がほとんどいないまぁまぁな車社会だったのだが、国際線を過ぎたところからさらにその傾向は色濃くなり、乗用車も姿を晦ます超トラック貨物車社会が口を開けていた。ただでさえの潮風に吹かれながら、トラックが巻き起こす突風にさらされる。さらに道は地下に潜り、人一人がやっと通れる程度の歩道をひた走ったのだが、やはり脇を通過するは爆速で走るトラック。換気されているとは言っても決して美しくない空気を吸いながらのランニングであった。

これで、たどり着いたのならまだいい。僕は結局国内線ターミナルを拝むことができなかった。

なぜか迷いこんだのが整備区画のような場所。航空各社の事務所なのか整備場なのか、何を司っているのかわからない建物が連立していた。しかもどれも馬鹿でかい。建物というのは海辺に近づくほど巨大化する傾向があるのかもしれない。縮尺のネジが完全にぶっ壊れた空間に放り投げられた。

かれこれ1時間走った末に圧倒的矮小さを感じ、孤独の雨を浴びた僕は、もうやめようと思った。引き返そう。そもそもマラソンが苦手な人間が1時間も走っているのだ、もう潮時だろう。

そうは思っても、引っ込みがつかない。

折角ここまできたからと、知らない道をただひたすら真っ直ぐ進む。とっくに前後不覚。行けるところまでの玉砕スピリッツ。半べそで走りながら、日本はこうやって戦争に負けて行ったのかもしれないと考えていた。むしろ途中からそれしか考えなくなっていた。

引っ込みがつかない旅路の末。羽田の島をどうやってかくるっと一周回って見覚えのある景色と出会い、僕は素直にきた道を戻った。帰り道は心がフードプロセッサーにかけられてしまったがために歩きも挟んだ。足かけ2時間超。全く思いもかけないロングランニングだった。

引っ込みがつかない心ってなんだろうと思い、僕はこの本を読むことにしました。大和魂とは。なんたるか。

 

菊と刀 (講談社学術文庫)

菊と刀 (講談社学術文庫)