徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

結局バック・トゥ・ザ・フューチャーを全部観た

あっけなかった。次、次、と勝手に物語が進んでいった。

1985年、1955年、2015年、1885年。四つの時代の違う時間軸をいったりきたりしながら、マクフライ君がタネン君をぶん殴った歴史が正史となっていく。タネン一家側からすると2015年のビフがスポーツ名鑑を1955年のビフに手渡した偽りの1985年こそ栄華を極めた歴史軸なのだけれど、マクフライ一家ないしは劇中の世界、視聴者心理を含めた公共の福祉的観点からすると、1885年でクリントイーストウッドことマーティがマッド・ドッグ・タネンをぶん殴り、1955年にジョージがビフ・タネンをぶん殴り、1985年でビフがマクフライ家の車を磨いている歴史こそ気持ちのいい歴史だった。(よく考えたら歴史改変前の1985年と正史となる1985年だけが誰一人欠損していない。ジョージとロレインは結婚してるし、ジョージはビフに殺されてないし、ドクもマッドドッグタネンに殺されていない。)

最高の1985年に降り立ち、デロリアンが列車に轢かれたことで他の歴史はいよいと消えたのかと思いきや、ドクがクララ以下ジュールとヴェルヌを連れてホバー付Time Machine蒸気機関車でやってくる。ただ、ドクも歴史改変をこれ以上する気はないようで、「未来は白紙だ」と散々未来を見てきたにしては白々しいほどのキメ台詞を吐いてどこかの時代へ旅立っていく。ドクずるい。

未来を見て、過去を見て、歴史を変えたからこそわかる、「未来は白紙だ」と「未来は自分でつくるもの」。二人はバック・トゥ・ザ・フューチャーとバック・トゥ・ザ・パストを繰り返したけど、ドクもマーティも未来の今と過去の今を必死で生きたからこそ正しい1985年にたどり着けたとの確信があるのだろう。時間と速度に追われ、ドキドキハラハラ覚めやらぬ興奮の中で、「未来は自分でつくるもの」と言われてしまったらそんな気しかしなくなる。

緊張させて緩和させて、最後に教訓を残して終わる。清々しさとなんかやれそうな気持ちを視聴者に残す。素晴らしいエンターテイメント。

ぼんやりとした感想は以上です。