徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

日本選手権が終わった

陸上の日本選手権が今日終わった。合計19名の選手がオリンピックに名乗りを上げた。

業界がものすごく狭いもので、各都道府県でそこそこの成績を残すと、当時の友達の誰か彼かが出世をして高校大学を通して日本一とかになり、その内の数名がずっと陸上を続けてオリンピックにどうこうみたいな話になってくる。皆様の周りで陸上やっていたという人がいたらちょっと聞いてみたらいいと思う。きっと友達が日本一になっているというのは珍しい話じゃない。

陸上から足を洗い早丸二年になろうとしている。現役の時は日本選手権とかを素直に見つめられなかった。悔しかったからだ。とにかく結果を出せていない自分というのが何より重く心にのしかかっていたから、他人の陸上に割くだけの心の余裕がなかった。いや、そんな難しく回りくどい言い方をする必要もない。妬み僻みのレベルである。儂の何があかんくてこんなところでヘロヘロな陸上生活してるんじゃハゲ!ボケ!そういうレベルである。

それから二年。ようやく諸先輩や諸後輩の大活躍を素直に大活躍と認めることが出来てきている。大人になった。大人になったよ。妬みと僻みの屈折レンズを取っ払ってみる陸上は楽しい。こいつら本当に足速いなぁって心から感心する。足速いの良いなぁ…って思うけど、悔しくはもうない。土俵が違ってきているのだろう。他の土俵の相撲がこれほどまでに魅力的にかつ美しく映るのかと、驚きを禁じ得ない。少しだけ見知った顔の彼や彼女にも、もろ手を挙げて凄い凄いと万歳できる。現役のころにはなかった心境である。

 

それでも、もし、もしもをたまに考える。陸上に関する決定的ないくつかの分かれ道で違う結果だったときの自分はどうだったか。それでもあの舞台の主役にはなれていなかったろう。舞台に立つ手前の、もう少し小さい大会の主役にはなれていたろうか。憶測や類推さえもセピアに着色されてしまっている。時は便利だ。

 

怪我をしたらしき選手を見るたびにぞっとするから、どうか気を付けて全力疾走を決め込んでほしい。頑張れ選手。陸上大好きなしがないサラリーマンが応援しています。