徒然雑草

踏みつけられるほどに育つ

ワクチン二回目接種における辛い気持ち

深夜2時。誰もが寝静まる丑三つ時にこうしてなんの生産性もない文章を認めているのはなぜかと言えば、モデルナ製ワクチン二回目接種の副反応のせいである。熱と、腕の痛みとで、僕のバイオリズムを木っ端微塵に破壊してくれている。

8月31日の19時40分ごろ体内に注入されたそれは、同日21時に腕の痛みを引き起こし、翌日10時半に発熱を引き起こした。しかもこの発熱はそんじょそこらの可愛い発熱ではなく、解熱剤が効いて38℃、解熱剤が切れると40℃にまでなる苛烈な発熱である。保冷剤を頭と首と脇と股間に当てるも、あまりの熱に程なくして保冷剤はただのジェルと帰す。熱を奪ってくれてサンキューなのだが、なんら本質的な解決には至らない。

どこぞやの原住民が、成人のなるための通過儀礼に刺青を施すように、この副反応も現代の通過儀礼のような様相を呈している。僕自身、接種前にはワクチン接種の先輩たちに、どんな副反応が出たか、なにをすると傷が浅く済むかと訊いて回り、やれ水を飲め、やれ葛根湯を服めと言われたら言われた通りの準備をして接種に臨んだ。水は接種前3リットル、接種後2リットル飲み、葛根湯は接種当日の朝から服用したが、話を訊いた誰よりも発熱している。40℃である。やらないならやったほうがマシだったのだろうか。もしなにもせずに接種したら、42℃とかまで発熱していたのだろうか。対照実験もできないなかでは、答えは闇の中だ。通過儀礼にしてはあまりに重く、個人差が果てしない。


しかし、モノホンの新型コロナウイルスによる肺炎は、40℃の熱すらおままごとに等しい。仕事柄、陽性者が復職する際の産業医面談に立ち会う。千差万別の症状があるなかで、中等症の闘病体験を聞くと生唾がじわじわ出てくる。38℃の熱が10日間続き、パルスオキシメーターの値は92。咳き込んでは夜眠れず、社会とのつながりは保健所からの定期的な電話のみ。先の見えない体調不良のトンネルの果てに、酸素が取り込めない未来が待ってるのか、はたまた日常生活が待っているのかわからない中で、1人戦うのだ。過酷そのものである。

それに比べれば健康への先行投資として、なんのこれしき、といったところだろうか。しかし依然として38℃台の熱である。接種後36時間。まだまだ体内での戦いは続く。

保冷剤がまたやはり溶けた。保冷剤は冷凍庫だ。億劫であるが、取りに行くよりない。朝はすぐそこだが、副反応の夜明けはいつになるやら。